谷崎潤一郎全集

癇癪老人日記

谷崎潤一郎全集編集室の非公式記録です。書誌や資料についてのあれこれ

岡本綺堂「異妖新篇」発売しました!

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中公文庫の岡本綺堂「異妖新篇」、二月下旬に発売しました。岡本綺堂自身がセレクトした「岡本綺堂読物集」シリーズの六冊目です。カバーと口絵に山本タカトさんの描き下ろしの絵をあしらっています。帯には、ほんのりと下の絵が透けているような意匠がほどこされています(実際に透けているわけではありません)。巻末には好評の、単行本未収作品も二作、附録として収載されています。

 

このシリーズもとうとう六冊目になりました。あいだに数年あいてしまいましたが、あと一冊で、岡本綺堂本人がセレクトしたこのシリーズは完結します。あと二三冊読物集を出せるくらいの資料は蒐集したのですが、このご時世、オリジナル版の刊行までいきつけるかどうか。書店やネットでのお買い上げ数がすべて、ですので、既刊ともども、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

本年二月の新聞広告、大人の事情で、掲載されない文庫本が数冊ありました。某A紙にはこの文庫本の広告が載らなかったそうなので、新刊をお待ちいただいている紙媒体しかお読みにならない読者の方にどうやってお知らせしたらいいものか。書店の方々、どうか平台にしばらくおいてあげてください。

帯自慢 『文章読本』改版20刷になりました

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中公文庫の『文章読本』が、改版20刷になりました。そのお祝いで、巻末に付録をつけて、ついでに帯もつくったのですが、通常の重版だし、どういう扱いになるんでしょう。

これからこの本文は付録付きで版を重ねていくわけですが(21刷でもとに戻るとかはないです)、帯付ははがされてしまえばそれまでなので、かなりレアになりそうです。

この帯付き本を積んでみたいという奇特な書店さま、文庫帯が大好きな読者さま、「中公文庫の『文章読本』、改版20刷を帯付きでください」といっていただければ、しばらく通用すると思われるので、よろしくお願い申し上げます。

帯はレトロなデザインになっておりますが、固有名詞以外、基本新字です。さすがに文字を右から並べるのは避けました。

帯自慢 眼鏡美少女

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小谷野敦著『純文学とは何か』(中公新書ラクレ)の帯を自慢します。

十五歳の少女が芥川賞直木賞を同時受賞する設定で話題のコミック、『響~小説家になる方法~』(小学館スペリオール連載中)のヒロイン、鮎喰(あくい)響(ひびき)嬢に新書のカバーガール(帯だけど)になっていただきました。

「純文学とは何か」というテーマに対し、アンサーするかたちになっております。裏表紙側にもしかけがあるので、店頭でみかけたら、ぜひ裏返してみてくださいませ。

帯は新刊コーナーにあるときはいいのですが、棚に入れるときに速攻ではがされてしまうことが多いです。響嬢の帯付きで欲しい方、お買い求めはおはやめに!

缶バッジあれこれ

展覧会場で図録を買うとおまけでもらえる「谷崎イヤーの缶バッジ」(今年は没後50年、来年は生誕130年なので)と、角川のキャンペーン書籍(詳細はこちら)をもって谷崎展で提示するともらえる「文豪ストレイドッグス」の缶バッジ。いまは「太宰」バッジです。谷崎くんとナオミちゃんのバッジがもらえるのは、五月に新刊がでてから。

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ストレイドッグスの缶バッジ、色味がよいです。大谷崎バッジは色が十色くらいあるとうかがいました(基本、ランダム)。なお、写真の台にしているのは谷崎展の図録です。ちいさめなので、大きなバッグをもっていかなくても大丈夫。

昨年の太宰展で複数回ガシャをやったことを思い出しました。欲しかった「生まれて……」はついにでませんでしたけれど……。

神奈川近代文学館の谷崎展

神奈川近代文学館で開催中の谷崎展にいってまいりました。展示の正式名称は「没後50年 谷崎潤一郎展――絢爛たる物語世界」。展示品、じつに400点余だとか。じっくりにみたら、一日では見きれない分量です。

展示品には今回はじめて公開されるものも多く、日本を代表する文豪の生涯と作品は、まだまだ奥深く、知られざる部分が眠っているようです。関係者の方々の協力、文学館の方々の丹念な下調べのたまものでありましょう。

北野恒富の「茶々殿」の絵が飾ってあってびっくりです。あれ、本物ですよね? 見ることができてラッキー!

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行った日は残念ながらお天気がいまひとつ。

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芸亭(うんてい)の桜は満開を少しすぎていましたが、みごとに咲き誇っていました。

 

今回の全集にはいらない「対談」と「書簡」

谷崎潤一郎の恋文」、おかげさまで各紙誌に書評やニュースなどでとりあげていただきました。

そこで、いくつか同内容の問い合わせがありましたので、お知らせを。

五月刊行予定の新しい「谷崎潤一郎全集 全二十六巻」には、いま中央公論新社から絶賛発売中の「谷崎潤一郎の恋文」と「谷崎潤一郎対談集 藝能編」「谷崎潤一郎対談集 文藝編」(文藝編は近刊)は含まれません。つまり、今回の全集には「書簡」と「対談」ははいりませんので、全集を補完する書籍だとお考えいただき、全集刊行を待たずにお買い求めいただけたら、と思います。

書簡と対談をふくめると、全集が三十巻をゆうに超えてしまい、全巻お買い求めいただく読者にとってもかなりハードルが高くなってしまいます。とりわけ、書簡は新発見も多く、今後(全集完結後)別途考慮していきたいと考え、資料収集と解読にもはげんでおりますが、2015年の現在、今回の「全二十六巻」にふくまれないことはたしかです。