谷崎潤一郎全集

癇癪老人日記

谷崎潤一郎全集編集室の非公式記録です。書誌や資料についてのあれこれ

谷崎潤一郎書簡集、新刊がでます

谷崎潤一郎の書簡集、最新刊が出ます。愛娘の鮎子さんにあてた書簡、二百六十二通。全集未収の書簡がたくさんつまっています。2018年10月10日発売予定。 見本の写真を撮影しました。もうすぐ発売です。

岡本綺堂「異妖新篇」発売しました!

中公文庫の岡本綺堂「異妖新篇」、二月下旬に発売しました。岡本綺堂自身がセレクトした「岡本綺堂読物集」シリーズの六冊目です。カバーと口絵に山本タカトさんの描き下ろしの絵をあしらっています。帯には、ほんのりと下の絵が透けているような意匠がほど…

帯自慢 『文章読本』改版20刷になりました

中公文庫の『文章読本』が、改版20刷になりました。そのお祝いで、巻末に付録をつけて、ついでに帯もつくったのですが、通常の重版だし、どういう扱いになるんでしょう。 これからこの本文は付録付きで版を重ねていくわけですが(21刷でもとに戻るとかはない…

帯自慢 眼鏡美少女

小谷野敦著『純文学とは何か』(中公新書ラクレ)の帯を自慢します。 十五歳の少女が芥川賞と直木賞を同時受賞する設定で話題のコミック、『響~小説家になる方法~』(小学館スペリオール連載中)のヒロイン、鮎喰(あくい)響(ひびき)嬢に新書のカバーガ…

缶バッジあれこれ

展覧会場で図録を買うとおまけでもらえる「谷崎イヤーの缶バッジ」(今年は没後50年、来年は生誕130年なので)と、角川のキャンペーン書籍(詳細はこちら)をもって谷崎展で提示するともらえる「文豪ストレイドッグス」の缶バッジ。いまは「太宰」バッジです…

神奈川近代文学館の谷崎展

神奈川近代文学館で開催中の谷崎展にいってまいりました。展示の正式名称は「没後50年 谷崎潤一郎展――絢爛たる物語世界」。展示品、じつに400点余だとか。じっくりにみたら、一日では見きれない分量です。 展示品には今回はじめて公開されるものも多く、日本…

今回の全集にはいらない「対談」と「書簡」

「谷崎潤一郎の恋文」、おかげさまで各紙誌に書評やニュースなどでとりあげていただきました。 そこで、いくつか同内容の問い合わせがありましたので、お知らせを。 五月刊行予定の新しい「谷崎潤一郎全集 全二十六巻」には、いま中央公論新社から絶賛発売中…

「谷崎潤一郎の恋文」もうすぐ発売

「谷崎潤一郎の恋文――松子・重子姉妹との書簡集」千葉俊二編 中央公論新社刊 2015年1月10日発売です。配本前の見本を撮影しました。 カバー写真のモデルは谷崎の三番目の妻、松子さんで、撮影者は谷崎潤一郎です。昭和十年ごろの写真なので、松子さんはこの…

谷崎潤一郎の未公開書簡

2014年11月25日 読売新聞朝刊に、「谷崎 情愛の288通――「細雪」モデル 妻・松子らとの書簡」(1面)「松子の存在 創作刺激」(38面)という記事が、つづいて「谷崎潤一郎の未公開の手紙 288通」というニュースが、昨日夜、NHKで放映されました。 http://www3…

谷崎全集のウェブサイトができました

「谷崎潤一郎全集 決定版 全26巻」のウェブサイトができましたので、リンクをはっておきます。「オフィシャルな情報」は、こちらから。 http://www.chuko.co.jp/special/tanizaki_memorial/zenshu.html 川上弘美、筒井康隆、水村美苗のお三方が、「推薦のこ…

今なぜ文学全集を出版するのか

読売新聞2014年11月11日「論点スペシャル」に、「今なぜ文学全集を出版するのか」という記事がでました。とりあげられたのは、河出書房新社の「日本文学全集 全30巻」(今月から刊行)と文藝春秋の「丸谷才一全集 全12巻」(さきごろ完結)、そして中央公論…

天理図書館の「手紙」展

天理大学附属天理図書館で開催中の「手紙――筆先にこめられた想い/開館八十四年記念展」(2014年10月19日から11月9日まで)をみてきました。 天理図書館所蔵の名品のなかから、藤原定家から谷崎潤一郎まで、歴史上の人物から歌人、作家にいたるまで、時代も…

「谷崎潤一郎対談集 藝能編」が発売されました

谷崎潤一郎の、はじめての本格的対談集が刊行されました。592頁で、対談や座談会が30本。小谷野敦氏による序文をよむと、この本のなりたちがわかります。本編には細江光氏による註がぎっしり。 少々高額な本になっておりますが、谷崎の対談に関してはほかに…

谷崎の戦争中につくった俳句異聞

谷崎の大戦中につくった俳句の、公刊されているものの初出は「A夫人の手紙」(昭和二十五年一月「中央公論文藝特集」)です。「A夫人の手紙」自体、虚構なのか実際の手紙なのかわからないように描かれているので、ちょっとひねりがありますけれども、これ…

谷崎潤一郎の「歌集」

谷崎の俳句って、そんなにめずらしいのですか、と夕方から数件編集室にといあわせがありました。ええっと。当時の文化人はたしなみでよく歌をよむとしかいいようがないのですが。 日経の記事、画像貼っておきます。記事のリンクは前項参照。 『谷崎潤一郎家…

帝塚山大学の展示

帝塚山大学で谷崎の稀覯書と書簡の展覧会が開催されるらしい。メモ代わりに貼っておきます。 帝塚山大学「貴重書展示『谷崎潤一郎・耽美の世界 ~肉筆と稀覯本(きこうぼん)を中心に~』 7/8(火)より開催! 17年ぶりの貴重書一般公開!初披露の展示品もあ…

生誕105年太宰治展 神奈川近代文学館

神奈川近代文学館で5月25日まで開催中の「生誕105年 太宰治展」に行ってきました。直筆原稿や書簡、写真や愛用品の展示が圧巻です。三鷹で撮った有名な写真で着ている和風のインバネス(二重まわし、と書いてありました)が入り口に飾ってあって、本人がのそ…

全集のありかた

岩波書店の「夏目漱石全集」は、著者直筆原稿があるものは極力著者の文字遣いを再現しようとしているそうだ。次回改訂にむけ、さらに調査はつづいているそうな(2014年5月12日「朝日新聞」朝刊「ひと」欄)。 著者直筆原稿があるものは、それを再現する、そ…

生前に刊行された全集の土台

「谷崎潤一郎全集」は、中央公論社から谷崎の生前に一度、没後に二度、合計三回編纂され刊行されている(詳細はこちら)。その前に個人作品選集が何種類かでていて、全集の土台となっている。主なものは下記の通り。 「潤一郎傑作全集」全五巻(大正十・一~…

中央公論社から刊行された谷崎全集

「谷崎潤一郎全集」は、これまで中央公論社から谷崎の生前に一度、没後に二度、合計三回編纂され刊行されている。以下はそのリスト。 「谷崎潤一郎全集」全三十巻(昭和32年12月~昭和34年7月、中央公論社) 「谷崎潤一郎全集」全二十八巻(昭和41年11月~昭…

法然院にお墓参り

谷崎全集の編集室が正式に発足したので、ご挨拶と成功祈念をかね、墓参りに行った。谷崎のお墓は京都左京区鹿ヶ谷(哲学の道のちかく)の法然院の墓地にある。境内は広いが、墓は一番高台の目立つ場所にあるので、すぐにわかる。 法然院の山門。 「寂」の文…

卍(まんじ)の装幀が禁忌

フランスのガリマール社に写真を貸したときのこと。学生版プレイヤード叢書みたいなQuartoのシリーズに写真をのせるので御社所蔵の写真を貸してくれ、とのことだったが、結局時間がないので点検してくれ、になり、……(自主規制)……なかった。過去の展覧会の…

河童忌と残月祭

谷崎潤一郎(たにざき じゅんいちろう) 1886年(明治19年)7月24日、東京生まれ。1965年(昭和40年)7月30日、逝去。 そういえば、谷崎の命日を「ナントカ忌」とよぶのをあまりきいたことがない。誕生日と命日が近接しているため、親族の渡辺千萬子さんが当…

図書館と検索システム

国立国会図書館 http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館蔵書検索 NDL-OPAC で所蔵資料の検索ができる。まずはここで検索。ただし、著作者の名前のよみかたが一般的なものとちがっていたり、ブラウザで表示できる文字がかぎられていたときの名残で、異体字が検…

書誌スタイル 新聞篇

書誌スタイル 新聞篇 明治四十五年(一九一二)二月十一日発行の「読売新聞」第七面(日曜附録第二面)に発表 明治四十三年(一九一〇)三月一日から六月十二日まで「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」に連載 明治四十三年三月一日~六月十二日「東京朝日新聞…

書誌スタイル 雑誌篇

書誌スタイル 雑誌篇 明治四十三年(一九一〇)十一月一日発行の「新思潮」(第三号) 明治四十三年十一月「新思潮」(第三号) *1 明治四十五年(一九一二)二月一日発行の「中央公論」二月号(第二十七年第二号)に発表された 明治四十五年「中央公論」二…

書誌スタイル 書籍篇

書誌スタイル 書籍篇 大正二年(一九一三)一月二十日、「胡蝶本」の一冊として籾山書店から刊行された 大正二年一月 籾山書店 大正二年一月『刺青』籾山書店 書誌のスタイルはひとつではない。ひとつの本のなかで体裁がそろっていれば問題なし。あくまでこ…

夕刊が朝届く

大正時代の新聞を閲覧すると、同じ日付なのに夕刊のほうが先にバインディングされていることに気づく。また、欄外(新聞のヘッダーのこと)と新聞一面にかいてある発行日がずれていることも。これはいったいどういうことなのか。 毎日新聞の社史では、 「大…

印刷・発行とは

印刷・発行の表記については、各社いろいろなルールがあるようだ。しかし、一般的な考え方を記しておく。 「印刷」 印刷された日「発行」 奥付に記載されている日=「何月号」はここから来る「発売日」 実際に書店にならぶ日 本来は、上記のような認識だった…

芦屋市谷崎潤一郎記念館発行・資料集より

芦屋市谷崎潤一郎記念館が発行した資料集の書誌をまとめておく。記念館が発行した資料集のすべてではない。 「谷崎潤一郎資料目録 図書・逐次刊行物篇」2002.3 「谷崎潤一郎資料目録 近藤良貞文庫目録」2005.3 「谷崎潤一郎資料目録 真三堂文庫目録」2005.3 …