生前に刊行された全集の土台
「谷崎潤一郎全集」は、中央公論社から谷崎の生前に一度、没後に二度、合計三回編纂され刊行されている(詳細はこちら)。その前に個人作品選集が何種類かでていて、全集の土台となっている。主なものは下記の通り。
- 「潤一郎傑作全集」全五巻(大正十・一~大正十一・五、春陽堂)
- 「谷崎潤一郎全集」全十二巻(昭和五・四~昭和六・十、改造社)
- 「谷崎潤一郎作品集」全九巻(昭和二十五・七~昭和二十六・一、創元社)
- 「谷崎潤一郎文庫」全十巻(昭和二十八・九~昭和二十九・二、中央公論社)
改造社版が刊行されたのは昭和五年なので、中期まで、といったところ。谷崎自身は中央公論社から全集がでるまで、この改造社版の全集をくりかえし読んで手を入れていた。*1
「谷崎潤一郎文庫」は文庫といってもB6に近く(確認)、いまの文庫判よりだいぶ判型が大きい。