谷崎潤一郎全集

癇癪老人日記

谷崎潤一郎全集編集室の非公式記録です。書誌や資料についてのあれこれ

トリビア

全集のありかた

岩波書店の「夏目漱石全集」は、著者直筆原稿があるものは極力著者の文字遣いを再現しようとしているそうだ。次回改訂にむけ、さらに調査はつづいているそうな(2014年5月12日「朝日新聞」朝刊「ひと」欄)。 著者直筆原稿があるものは、それを再現する、そ…

生前に刊行された全集の土台

「谷崎潤一郎全集」は、中央公論社から谷崎の生前に一度、没後に二度、合計三回編纂され刊行されている(詳細はこちら)。その前に個人作品選集が何種類かでていて、全集の土台となっている。主なものは下記の通り。 「潤一郎傑作全集」全五巻(大正十・一~…

中央公論社から刊行された谷崎全集

「谷崎潤一郎全集」は、これまで中央公論社から谷崎の生前に一度、没後に二度、合計三回編纂され刊行されている。以下はそのリスト。 「谷崎潤一郎全集」全三十巻(昭和32年12月~昭和34年7月、中央公論社) 「谷崎潤一郎全集」全二十八巻(昭和41年11月~昭…

卍(まんじ)の装幀が禁忌

フランスのガリマール社に写真を貸したときのこと。学生版プレイヤード叢書みたいなQuartoのシリーズに写真をのせるので御社所蔵の写真を貸してくれ、とのことだったが、結局時間がないので点検してくれ、になり、……(自主規制)……なかった。過去の展覧会の…

河童忌と残月祭

谷崎潤一郎(たにざき じゅんいちろう) 1886年(明治19年)7月24日、東京生まれ。1965年(昭和40年)7月30日、逝去。 そういえば、谷崎の命日を「ナントカ忌」とよぶのをあまりきいたことがない。誕生日と命日が近接しているため、親族の渡辺千萬子さんが当…

夕刊が朝届く

大正時代の新聞を閲覧すると、同じ日付なのに夕刊のほうが先にバインディングされていることに気づく。また、欄外(新聞のヘッダーのこと)と新聞一面にかいてある発行日がずれていることも。これはいったいどういうことなのか。 毎日新聞の社史では、 「大…

印刷・発行とは

印刷・発行の表記については、各社いろいろなルールがあるようだ。しかし、一般的な考え方を記しておく。 「印刷」 印刷された日「発行」 奥付に記載されている日=「何月号」はここから来る「発売日」 実際に書店にならぶ日 本来は、上記のような認識だった…